何が描かれているか
セーヌ川の岸で少年や男性が座り、水に入る。遠景には橋、工場、煙突、帆船が並ぶ。
服装から労働者や下層中産階級の余暇を描いた可能性があるが、個人の身元は示されない。横向きの人物は手前ほど大きいが互いに重なりにくく、岸辺に一定の間隔を空けて並べられている。
作品の見どころ
大きな画面なのに人物は互いに会話せず、横向きの姿が彫刻のように止まる。
広い水面と岸の斜線、反復する身体が、工業地帯を静かな古典画のように整える。手前の休息と遠景の煙突や橋を一緒に見ると、近代の工業地帯が大画面の静かな風景へ組み替えられている。
制作背景
1884年、25歳になる前に完成した最初の大作。官営サロンで落選し、独立展へ出品した。
現在はロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵。制作後、一部に小さな色点を加えたため、全体を完成した点描だけとは呼ばない。後から加えた色点がある一方、広い筆触も残るので、全画面を均一な点描作品として説明しないことが大切である。