何が描かれているか
舞台上で四人の踊り手が同じ方向へ脚を高く上げる。手前には指揮者や楽師、観客の横顔が重なる。
シャユはカンカンへつながる速い踊り。個々の踊り手より、繰り返す動作を記号のように見せる。四人の脚だけでなく、口元、髭、花飾りまで上向きにそろい、表情も踊りのリズムへ組み込まれている。手前の人物は途中で切れ、鑑賞者も客席のすぐ近くにいるような距離になる。
作品の見どころ
脚、口髭、指揮棒、舞台の縁が右上へ傾く。上向きの斜線が陽気さと高揚を作る。
赤、黄、青の点が照明の人工的な明るさを作り、輪郭の周囲にも反対色が置かれる。舞台と手前の観客を斜めの境界で分けるため、見る側は近くにいながら演者とは別の空間へ置かれる。
制作背景
1889〜1890年作。スーラは線の方向が感情へ与える効果を考え、都市の娯楽を構成した。
現在はクレラー=ミュラー美術館所蔵。踊りを正確に記録した写真ではなく、動作を意図的に単純化した画面である。一瞬の速さを写すのでなく、点、線、色の組み合わせを練り上げて高揚を作った作品として見る。