何が描かれているか
夜の仮設舞台に楽士たちが横一列に立ち、中央の人物が演奏する。下の暗がりには観客の帽子が並ぶ。
本公演の前に客を呼び込む無料の見世物を主題にする。観客は顔を詳しく描かれず、下端に並ぶ帽子や右端の階段上の影として、明るい舞台を見上げている。中央の演奏者だけが高い位置に立ち、左右の楽士と下の観客を結ぶ目印になっている。
作品の見どころ
明るい舞台と暗い観客席を水平帯へ分け、人物も縦線と円で単純化する。
色点が光をきらめかせる一方、規則的な配置は音や群衆を不思議な静止へ変える。舞台の水平線、人物の垂直線、丸い照明を探すと、夜の見世物が単純な幾何学へ整理されている。
制作背景
1887〜1888年作。19世紀パリの移動遊園やサーカスの呼び込みを、大画面の現代生活として扱った。
現在はメトロポリタン美術館所蔵。同館の展覧会研究は本作を当時の見世物文化の中に位置づける。にぎやかな音や呼び込みを描きながら動きを抑えることで、都市娯楽を観察し構成するスーラの方法が表れる。