港の水面に赤い浮標が浮かび、後ろには船と家並みが並ぶ。
何が描かれているか
港の水面に赤い浮標が浮かび、後ろには船と家並みが並ぶ。浮標は船の進路を知らせる目印で、画面の手前に大きく置かれている。水の青や黄色い岸壁との対比で、その小さな物が絵全体の中心になる。後年の油彩《赤い浮標》に似た主題だが、このページの画像は1894年の版画そのものを示している。
作品の見どころ
リトグラフは石版を用いる印刷技法で、この作品では六つの色版が使われた。細かな色の点や短い線は、油絵具の筆触とは違う刷り重ねでできている。水面の揺れは線を繰り返して示され、船と建物は淡い色で遠ざかる。油彩と版画で同じ港をどう変えて見せるか比べると、色彩の考えを別の技法へ移した工夫が分かる。
制作背景
ワシントン・ナショナル・ギャラリーは1894年の六色刷りリトグラフ、所蔵番号1950.16.231と記録する。同館は画像をパブリックドメインとして公開している。油彩《赤い浮標》は1895年の別作品であり、版画をその複製写真と混同しない。題材を再び扱うことは、港の色や構図への継続した関心を示している。
出典・画像について
画像:Paul Signac《浮標(多色刷り版画)》/Wikimedia Commons / CC0 1.0 / Wikimedia Commons
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