1898年
35歳頃

ノーリ岬

画家 ポール・シニャック →
Capo di Noli / ヴァルラフ=リヒャルツ美術館
イタリアの海岸にあるノーリ岬を、手前の木々越しに望む。

何が描かれているか

イタリアの海岸にあるノーリ岬を、手前の木々越しに望む。海には帆船が浮かび、崖は桃色や紫を帯びる。実際の風景に基づくが、自然の色をそのまま写すより、木、崖、水面を鮮やかな色の形として組み立てた。縦長の画面では、手前の枝から奥の岬へ視線が進み、遠くの船が距離を測る目印になる。

作品の見どころ

木の緑は青や黄の短い筆触で作られ、崖の暖色と海の青が向かい合う。色が隣り合う場所を見ると、輪郭りんかく線だけではない形の作り方が分かる。近くでは筆触がばらばらに見えても、少し離れると明るい海岸としてまとまる。遠景を淡く消すだけでなく、奥まで強い色を置くため、画面全体が同じように生き生きとしている。

制作背景

ヴァルラフ=リヒャルツ美術館は1898年の油彩ゆさい画、寄託番号WRM Dep. FC 682と記録する。同館によると、シニャックは1896年に現地を訪れ、その二年後にこの構図こうずを完成させた。現場で一度に仕上げた作品ではなく、見た風景をアトリエで色と線の均衡へ練り直した。土地の記録と画家の構成を合わせて見る代表的な海景である。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
ヴァルラフ=リヒャルツ美術館

出典・画像について

画像:Paul Signac《ノーリ岬》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark / Wikimedia Commons PD-Art
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