1898年
35歳頃

マルセイユ港の入口

画家 ポール・シニャック →
Entrance to the Port of Marseille / クレラー=ミュラー美術館
マルセイユ港の入口に帆船が浮かび、向こう岸の建物が薄い光の中に見える。

何が描かれているか

マルセイユ港の入口に帆船が浮かび、向こう岸の建物が薄い光の中に見える。水面と空が広く、港の建物は遠くで小さくまとまる。近くの船を強く目立たせるより、船と岸の間にある水の広さを感じさせる絵だ。シニャックが繰り返し描いた港の中でも、明るい色が霧のように重なる穏やかな一場面として見られる。

作品の見どころ

水には青と紫、空には桃色や黄が入り、隣り合う短い筆触が遠くから柔らかな光になる。岸の塔は輪郭りんかくだけで示され、くっきりした線より色の差で見えてくる。船の縦のマストと横に伸びる岸を比べると、画面が整った線の組み合わせでもあると分かる。近くの色の粒と遠景のまとまりを、視点を変えながら確かめたい。

制作背景

クレラー=ミュラー美術館は1898年の油彩ゆさい画、所蔵番号KM 103.185と記録する。同じマルセイユでも、1905~06年に描かれた別の港景とは制作時期も構図こうずも異なる。この作品では船、建物、水面を穏やかな調子へまとめた。題名と所蔵番号で作品を区別し、似た港景の画像を取り違えないようにした。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
クレラー=ミュラー美術館

出典・画像について

画像:Paul Signac《マルセイユ港の入口》/Wikimedia Commons / Public Domain Mark / Wikimedia Commons PD-Art
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