帆船が並ぶサン=トロペの港で、教会の塔が家並みの上に立つ。
何が描かれているか
帆船が並ぶサン=トロペの港で、教会の塔が家並みの上に立つ。水面には船の影が縦に伸び、空には雲が大きく広がる。港の人々より船、塔、反射が主役となり、場所の形を少ない要素で伝える。1894年の《浮標》と同じく版画だが、こちらは塔を中心にした縦長の構図を使い、別の港の見え方を作っている。
作品の見どころ
版画の色は青、青灰、赤、桃色、黄、緑の六色を重ねたものだと所蔵館は説明する。小さな点は油絵の筆触に見えても、実際には刷りによって作られる。船の帆は明るい紙の色を残し、周囲の細かな点がその白を際立たせる。建物、水、空へ視線を動かすと、同じ印刷技法で質感を変えていることが分かる。
制作背景
クリーブランド美術館は1897~98年の多色刷りリトグラフ、所蔵番号1953.346と記録する。同館は点描を版画に移した例と説明し、画像をオープンアクセスで公開する。港の油彩作品と題名が近くても、これを同じ作品の写真として扱わず、版画そのものの表現として紹介したい。
出典・画像について
画像:Paul Signac《サン=トロペの港(多色刷り版画)》/Wikimedia Commons / CC0 1.0 / Wikimedia Commons
CommonsのCC0表示を確認。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
世界でいちばん素敵な西洋美術の教室 印象派編
永井龍之介 監修 / 三才ブックス
印象派からスーラ、シニャックの新印象派まで、初心者向けにQ&Aで解説する本。
楽天ブックスで見る →