小さな画面に集まる腕と顔から、悲しみの動きをたどれます。
何が描かれているか
十字架から降ろされるキリストの身体を、周囲の人々が支えています。頭を傾ける人、腕を伸ばす人、身を寄せる人が狭い画面に重なり、静かな背景とは対照的な動きを作っています。
十字架は上へ伸び、身体はそこから斜めに下がります。左右から集まる腕や顔がその身体へ向かうため、誰が中心なのかすぐ分かります。視線が集まる場所に注目してみましょう。
作品の見どころ
背景の金色には遠くの風景がなく、赤や青の衣がくっきり見えます。人物の重なりが、出来事を遠くから眺めるより、その場の悲しみに近づく感覚を生んでいます。
光輪や衣の模様にも細かな飾りがあります。小さい絵でありながら、全体の大きな身振りと装飾の細部が両立しています。顔から手へ、手から衣へと順に見ると、その密度を感じられます。
制作背景
所蔵館の現行目録では1320〜1330年とされています。高さ約24センチの板絵で、折り畳んで運べるオルシーニ祭壇画の一部でした。大きな壁画とは、見る距離や使い方の違う作品です。
祭壇画の各面は現在、複数の美術館に分かれています。ここではアントワープの一面を掲載しています。既存のルーヴルの《十字架を担うキリスト》と、別場面として比べられます。
制作年代と掲載範囲
制作年代は所蔵館の現行目録(1320〜1330年)に従います。画像配布元には1333年という記載もあります。ここに掲載するのは折り畳み祭壇画の一面で、祭壇画全体ではありません。
作品情報
位置づけ
小さな折り畳み祭壇画の一部。密集した身振りと悲しみ。
出典・画像について
画像:Simone Martini《十字架降下(オルシーニ祭壇画)》/十字架降下(オルシーニ祭壇画) — Simone Martini / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(個別ファイル表示)
Commons個別ページの忠実複製のPublic Domain表示。複製の扱いは国・地域で異なります。
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