1325〜1330年頃
年齢不詳

福者アゴスティーノ・ノヴェッロの祭壇画さいだんが

画家 シモーネ・マルティーニ
Blessed Agostino Novello Altarpiece / シエナ国立絵画館
中央の聖人像と四つの救済場面を、読む順番のある一枚にした。

何が描かれているか

中央に修道士しゅうどうしアゴスティーノ・ノヴェッロが座り、その周囲の四つの場面に人々の危機と救済が描かれる。大きな像は誰の物語かを示し、小画面はどのような奇跡が語られたかを伝える。
四隅を一つずつ見ると、倒れる人や急ぐ人、助けを求める人の姿が分かる。中央の人物は静かなまま、周囲だけが動く。

作品の見どころ

建物の屋根や壁は、細かな都市の地図というより、場面の区切りとして役立つ。見る人は壁で分けられた空間を順に追い、事故から救済へ進む。金地の祭壇画に、時間の流れる物語を組み込んだ点が面白い。
人物の身振りには急ぐ、倒れる、抱き起こすといった違いがある。細い線でも動作が読み取れるため、画面は装飾に埋もれない。

制作背景

シモーネ・マルティーニの作品としてシエナ国立絵画館に伝わる。制作年は1325〜1330年頃とされ、細部の年代づけには幅がある。小さな複数の場面を、中央の肖像とともに読むために作られた。
《マエスタ》のような大壁画では、集団が一つの像を共有する。ここでは近くで一場面ずつ追う見方が求められる。同じ画家が場所と目的に合わせて、人物の大きさや物語の密度を変えたことが分かる。

作品情報

材質・技法
テンペラ・金、板
所蔵
シエナ国立絵画館
位置づけ
中央の聖人像と四つの救済場面を、読む順番のある一枚にした。

出典・画像について

画像:Simone Martini福者アゴスティーノ・ノヴェッロの祭壇画》/福者アゴスティーノ・ノヴェッロの祭壇画 — Simone Martini / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-23 確認)
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