1312〜1317年
年齢不詳

聖マルティヌスの武器放棄

画家 シモーネ・マルティーニ
Saint Martin Renounces his Weapons / アッシジのサン・フランチェスコ聖堂
武器を捨てた聖人が皇帝の前に立つ。軍人の姿と信仰の選択が向き合う。

何が描かれているか

若い聖マルティヌスが皇帝の前に立ち、周囲には兵士と旗が並ぶ。人物の向きと手の動きで、両者の緊張が伝わる。
武器を持たずに立つ聖人と、武装した集団を対比させる。後ろの陣幕と山並みが、礼拝堂の壁の中に野外の場面を作る。

作品の見どころ

聖人の衣の柔らかな線と、兵士の装備の固い線を見比べたい。狭い画面でも、人物の姿勢によって会話の順番が見える。
中央に大きな動きを置かず、一歩踏みとどまる姿を物語の転機にする。強い光よりも、線と色の差で人物の選択を示す。

制作背景

ボローニャ大学ゼーリ財団の写真目録は、本作をシモーネ・マルティーニによる1312〜1317年の壁画とし、アッシジ下部聖堂の聖マルティヌス礼拝堂に記録する。
これは礼拝堂の聖人伝の一場面であり、連作れんさく全体を一枚の絵と偽っていない。年代は礼拝堂の制作範囲として示し、この場面だけの完成日とはしない。 ゼーリ財団はこの画面を連作中の要素として登録している。場面の人物を後世の特定の皇帝に安易に結びつけず、武器を離す身振りに注目する。

作品情報

材質・技法
フレスコ
所蔵
アッシジのサン・フランチェスコ聖堂
位置づけ
聖マルティヌス礼拝堂の生涯連作に含まれる一場面。

出典・画像について

画像:Simone Martini聖マルティヌスの武器放棄》/聖マルティヌスの武器放棄 — Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-23 確認)
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