1874年
34〜35歳頃

霧、ヴォワザン

画家 アルフレッド・シスレー →
Le Brouillard, Voisins / オルセー美術館
霧で輪郭りんかくが薄れる庭を、灰色と青の細かな違いで見せる。

何が描かれているか

庭の手前に草花が広がり、奥には柵と木々がぼんやり見える。右側の曲がった木の下では、女性が身をかがめている。遠景の枝や葉は霧に包まれ、空と地面の境目もはっきりしない。人物の動作を物語の中心にするのではなく、見通しの悪い庭全体の空気を描いた風景画だ。

作品の見どころ

灰色だけの絵に見えても、近づくと青みや緑み、花の明るい色が細かく混ざっている。近くの草花は比較的形が分かり、奥へ進むほど輪郭が薄れる。この違いが、狭い庭にも距離を生む。右の木の曲がった幹をたどり、そこから遠くの柵へ目を移すと、霧の中へ景色が溶けていく様子を追いやすい。細部はあいまいでも、近い場所と遠い場所は描き分けられている。

制作背景

1874年に制作された作品。オルセー美術館は、霧が形を弱め、繊細な銀灰色や青の調子を生む点に注目している。川や橋のはっきりした形を描く作品と比べると、同じ画家が天候によって描き方を変えていることが分かる。景色を知るためにすべての細部を見せる必要はなく、見えにくさ自体が絵の主題になる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
寸法
50.5 × 65 cm
所蔵
オルセー美術館
目録番号
RF1937 64

出典・画像について

画像:Alfred Sisley《霧、ヴォワザン》/Alfred Sisley / Wikimedia Commons — Public Domain Mark 1.0
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / Commons個別ファイル(画像情報:2026-10-01 確認)
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