モレからサン=マメスへ続く道を、並木と雲のリズムで描く。晩年の生活圏にあった身近な風景である。
何が描かれているか
並木のある道が、手前から遠くの村へ続く。
右手に木々が連なり、左下にはロワン川の水面がのぞく。道には小さな人影がある。道を歩く人物はごく小さく、並木の間隔とともに遠近の尺度になる。左下にわずかに見える川まで含めると、道が水辺に沿って続く位置関係も読み取れる。
作品の見どころ
道と並木の斜線を繰り返し、平らな土地に深い奥行きを作る。
緑、黄、青を細かく重ね、風景全体を同じ光の中へまとめる。枝葉の筆触は細部を一枚ずつ描かず、明暗のかたまりとして道を囲む。明るい路面を中央に残すことで、密度の高い緑の中にも奥へ抜ける空間が生まれる。
制作背景
所蔵館は1883〜1885年の作としている。同じ道を描いた素描が残り、その手帳の使用時期が年代を考える手がかりになっている。
素描にある地名の書き込みから、ロワン川沿いにモレからサン=マメスへ向かう道と分かる。画面左下の水面も、その場所を確かめる手がかりになる。制作年に幅があるのは、関連する素描と手帳の使用時期から推定されているためである。題名と場所を確定した根拠を示しつつ、正確な制作日までは断定しない。
出典・画像について
画像:Alfred Sisley《モレからサン=マメスへの道》/モレからサン=マメスへの道 — Alfred Sisley / The Metropolitan Museum of Art Open Access
CC0/Open Accessとして提供された画像です。
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