マルリー=ル=ロワの馬の水飲み場
画家 アルフレッド・シスレー →The Watering Place at Marly-le-Roi / ロンドン・ナショナル・ギャラリー
凍った水面と雪道の淡い色を、冬の光として描き分ける。
何が描かれているか
雪の積もった道が、家や木々の間を奥へ延びている。手前に広がるのは、馬が水を飲むために使われた池。水面の多くは凍り、右側には水の流れ込む暗い部分が残る。人々は小さく、白い道と水辺の間に散らばる。晴れた夏の川景色とは違う、冬の町の淡い空気が画面を包んでいる。
作品の見どころ
雪を白一色で塗りつぶさず、青灰色や薄い黄みを重ねているところに注目したい。細い木の幹は、明るい空や雪の前で輪郭をつくり、奥へ続く道の方向を示す。池の暗い水と白い氷を比べると、表面の状態の違いも見える。絵具の薄い部分や短い筆の跡が、冬の光の柔らかさを伝えている。
制作背景
所蔵館は制作年をおそらく1875年とする。池はルイ14世のマルリーの庭園へ水を供給した施設に由来し、後に馬の水飲み場となった。シスレーはこの近くに暮らし、周辺を繰り返し描いた。身近な場所でも、凍結や雪によって見え方が変わることを示す一作で、完成された輪郭より目の前の光が大切にされている。
出典・画像について
画像:Alfred Sisley《マルリー=ル=ロワの馬の水飲み場》/Alfred Sisley / Wikimedia Commons — Public Domain Mark 1.0
CommonsのPublic Domain表示に基づく忠実複製です。複製画像の扱いには国・地域差があります。
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
印象派に恋して―テーマから紐解く、光と色彩の魔法―
佐藤 晃子 著 / ナツメ社
印象派の基礎を一問一答と六つのテーマで学びながら、シスレー、モリゾ、カサットを含む画家たちの作品と人物像をたどる入門書です。
楽天ブックスで見る →