黒い服のクロティルデ
画家 ホアキン・ソローリャ →Señora de Sorolla (Clotilde García del Castillo) in Black / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
黒いイブニングドレスを着た女性が、室内に立ってこちらを見る。
何が描かれているか
黒いイブニングドレスを着た女性が、室内に立ってこちらを見る。モデルは画家の妻クロティルデである。黒い服の広がりが画面の中心を占めるが、顔や手、胸元の光が人物を浮かび上がらせる。海辺を歩く彼女を描いた《海辺の散歩》と比べると、同じ人でも場所と装いによって、絵の気分が大きく変わる。
作品の見どころ
背景には別の絵が掛かり、右端にもキャンバスの一部がのぞく。奥行きのある部屋で、モデルだけでなく画家の制作空間まで示される。黒は単調ではなく、布の折り目や反射で柔らかく変化する。手の位置と体の向きには落ち着きがあり、光る顔と暗い服の対比が視線を上へ導く。肖像の華やかさを細部より全身の姿勢で伝えている。
制作背景
メトロポリタン美術館は1906年作とし、妻が旅の同行者であり家計や仕事も支えたと説明する。背景の女性聖人の絵は、結婚初期にソローリャが描いたものだという。本作は1909年のニューヨーク展に出され、その年に同館が購入した。クロティルデを単なる飾りとしてではなく、画家の生活と仕事を共にした人物として見たい。
出典・画像について
画像:Joaquín Sorolla《黒い服のクロティルデ》/The Metropolitan Museum of Art / Wikimedia Commons
The Metropolitan Museum of Art / Wikimedia Commons。CC0 1.0(出典を表示)
間違いを見つけたら、教えてください →アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
Joaquín Sorolla: Painter of Light
Micol Forti、Consuelo Luca de Tena 編 / Skira Editore
ソローリャの画業と光の表現を追う展覧会図録。英語の洋書です。
楽天ブックスで見る →