1906年
43歳頃

黒い服のクロティルデ

画家 ホアキン・ソローリャ →
Señora de Sorolla (Clotilde García del Castillo) in Black / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
黒いイブニングドレスを着た女性が、室内に立ってこちらを見る。

何が描かれているか

黒いイブニングドレスを着た女性が、室内に立ってこちらを見る。モデルは画家の妻クロティルデである。黒い服の広がりが画面の中心を占めるが、顔や手、胸元の光が人物を浮かび上がらせる。海辺を歩く彼女を描いた《海辺の散歩》と比べると、同じ人でも場所と装いによって、絵の気分が大きく変わる。

作品の見どころ

背景には別の絵が掛かり、右端にもキャンバスの一部がのぞく。奥行きのある部屋で、モデルだけでなく画家の制作空間まで示される。黒は単調ではなく、布の折り目や反射で柔らかく変化する。手の位置と体の向きには落ち着きがあり、光る顔と暗い服の対比が視線を上へ導く。肖像の華やかさを細部より全身の姿勢で伝えている。

制作背景

メトロポリタン美術館は1906年作とし、妻が旅の同行者であり家計や仕事も支えたと説明する。背景の女性聖人の絵は、結婚初期にソローリャが描いたものだという。本作は1909年のニューヨーク展に出され、その年に同館が購入した。クロティルデを単なる飾りとしてではなく、画家の生活と仕事を共にした人物として見たい。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩ゆさい
所蔵
メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
目録
09.71.3

出典・画像について

出典:所蔵館・美術館資料(2026-09-27 確認)
画像:Joaquín Sorolla《黒い服のクロティルデ》/The Metropolitan Museum of Art / Wikimedia Commons
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-27 確認)
The Metropolitan Museum of Art / Wikimedia Commons。CC0 1.0(出典を表示)
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この画家について本で読む

Joaquín Sorolla: Painter of Light
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