1892年
29歳頃

もう一人のマルガリータ

画家 ホアキン・ソローリャ →
¡Otra Margarita! / ミルドレッド・レーン・ケンパー美術館(セントルイス)
木の座席が並ぶ列車の車内で、女性がうつむいて座っている。

何が描かれているか

木の座席が並ぶ列車の車内で、女性がうつむいて座っている。両側には彼女を護送する警官がいて、逃げ場のない空間だと分かる。題名の「マルガリータ」は女性の名前を示すと同時に、ゲーテの『ファウスト』に登場する悲劇の女性を連想させる。なぜ捕らえられたのかを絵だけで決めず、まず人物の距離と姿勢を見たい。

作品の見どころ

窓から入る光は女性の顔と服に届く一方、警官は暗い服で壁のように見える。長い座席や床板は奥へ伸び、こちらの視線を女性へ向ける。隣に座る警官が彼女を見ることもなく、静かな車内に緊張が生まれている。屋外の強い日光で知られる後年の絵とは違い、ここでは光が一人の孤立を際立たせる。

制作背景

所蔵館によれば、画家はマドリードからバレンシアへ向かう三等車で、女性の囚人と護送する警官を実際に見た。その場の速写を完成画にしたのではなく、本物の車両にモデルを置いて制作したという。1892年の作品で、初期の社会的な題材を示す代表例である。題名に込められた物語との関係は所蔵館も可能性として述べている。

作品情報

材質・技法
キャンバスに油彩ゆさい
所蔵
ミルドレッド・レーン・ケンパー美術館(セントルイス)

出典・画像について

出典:所蔵館・美術館資料(2026-09-27 確認)
画像:Joaquín Sorolla《もう一人のマルガリータ》/Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark / PD-Art(画像情報:2026-09-27 確認)
Wikimedia Commons。Public Domain Mark(忠実な二次元複製。法域による留保あり)
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この画家について本で読む

Joaquín Sorolla: Painter of Light
Micol Forti、Consuelo Luca de Tena 編 / Skira Editore
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