1888年
34〜35歳

ひまわり(ロンドン)

画家 フィンセント・ファン・ゴッホ
Sunflowers / ロンドン・ナショナル・ギャラリー
ゴッホにとって、ひまわりは自分を示す大切で特別な主題だった。つぼみから種になりかけた花までを同じ花瓶に集め、花の一生を一画面に並べている。アルルの黄色い家を飾り、訪ねてくる友人ポール・ゴーギャンを迎えるために描いた連作れんさくの一枚である。黄色を重ねた画面には、本人がこの主題に結びつけた「感謝」も込められている。

何が描かれているか

淡い黄色の壁を背に、黄色い花瓶へ15本のひまわりがしてある。花瓶には「Vincent」とだけ署名がある。姓が発音しにくいと言われたので、名前だけを書いた。
15本は、それぞれ違う時期にある。左下のひとつはまだ蕾で、7本が満開、残る7本は花びらを落として種になりかけている。

作品の見どころ

「ひまわりは私のものだ」。ゴッホはそう言い切った。死後まもなく彼は「ひまわりの画家」として知られるようになり、それは今も変わらない。ひとつの花とこれほど強く結びついた画家は、ほかにいない。
花の一生をそのまま並べて見せる描き方は、17世紀オランダの花の絵の伝統につながる。人の営みはいつか終わる、と告げる絵の系譜である。ゴッホ本人は1890年、批評家アルベール・オーリエに宛てて、この絵は「感謝」を表しているのだと書いた。

制作背景

1888年8月、35歳。ゴッホはアルルで借りた「黄色い家」を飾るために、この連作を描き始めた。友人の画家ポール・ゴーギャンが訪ねてくることになっていたからである。
ゴーギャンがひまわりの絵を気に入っていることを、ゴッホは知っていた。弟テオへの手紙にはこうある。「アトリエのための飾りをやりたい。大きなひまわりだけの」。実際には仕事場ではなく、ゴーギャンが使う客間に、この絵とミュンヘンにある1点を掛けた。
いまロンドンには無い
2026年8月30日に館のページで確かめた時点で、この絵はフィラデルフィア美術館へ貸し出されている。所蔵がロンドン・ナショナル・ギャラリーであることは変わらない。貸出は入れ替わるので、見に行く前に館のページで確かめること。

作品情報

寸法
92.1 × 73 cm
材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ロンドン・ナショナル・ギャラリー
目録
NG3863(1924年、コートールド基金により購入)

出典・画像について

画像:フィンセント・ファン・ゴッホひまわり(ロンドン)》/The National Gallery, London
画像の出典 / CC BY-NC-ND 4.0(非商用・改変禁止)(画像情報:2026-09-03 確認)
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