何が描かれているか
淡い黄色の壁を背に、黄色い花瓶へ15本のひまわりが挿してある。花瓶には「Vincent」とだけ署名がある。姓が発音しにくいと言われたので、名前だけを書いた。
15本は、それぞれ違う時期にある。左下のひとつはまだ蕾で、7本が満開、残る7本は花びらを落として種になりかけている。
作品の見どころ
「ひまわりは私のものだ」。ゴッホはそう言い切った。死後まもなく彼は「ひまわりの画家」として知られるようになり、それは今も変わらない。ひとつの花とこれほど強く結びついた画家は、ほかにいない。
花の一生をそのまま並べて見せる描き方は、17世紀オランダの花の絵の伝統につながる。人の営みはいつか終わる、と告げる絵の系譜である。ゴッホ本人は1890年、批評家アルベール・オーリエに宛てて、この絵は「感謝」を表しているのだと書いた。
制作背景
1888年8月、35歳。ゴッホはアルルで借りた「黄色い家」を飾るために、この連作を描き始めた。友人の画家ポール・ゴーギャンが訪ねてくることになっていたからである。
ゴーギャンがひまわりの絵を気に入っていることを、ゴッホは知っていた。弟テオへの手紙にはこうある。「アトリエのための飾りをやりたい。大きなひまわりだけの」。実際には仕事場ではなく、ゴーギャンが使う客間に、この絵とミュンヘンにある1点を掛けた。