晩年の聖母は、静かに両手を合わせています。大勢が動く天井画とは違い、白と青のゆるやかな流れが、穏やかな上昇をつくります。
何が描かれているか
白い衣と青い外套のマリアが、雲と天使たちに支えられて立っています。頭上には鳩、足元には球体と蛇の姿が見えます。下方の天使や花々は細かく動きますが、中央のマリアは顔を伏せ、胸の近くで手を合わせています。
作品の見どころ
大きくふくらむ外套も、顔のまわりでは静かに収まります。下方の複雑な形から白い衣へ、祈る手から伏せた顔へと、見上げるにつれて動きが穏やかになるようです。淡い空と衣の色はなじみ、人物の輪郭も強い線では閉じられていません。壮麗な姿に静けさが宿る、晩年の描き方です。
制作背景
1767〜1769年、アランフエスのサン・パスクアル教会のための七枚の祭壇画に含まれる作品です。「無原罪の御宿り」は、キリストの誕生ではなく、母マリア自身が原罪を免れて宿ったという教えを表します。プラド美術館から貸し出された際のNGV公式解説でも、王の注文とフランチェスコ会の信仰が、この穏やかな聖母像の背景として説明されています。
出典・画像について
画像:Giovanni Battista Tiepolo《無原罪の御宿り》/無原罪の御宿り — Giovanni Battista Tiepolo / Wikimedia Commons(忠実な二次元複製) / Public Domain Mark 1.0
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