顔のまわりを、黒い帽子と外套が包んでいます。広い空を描いた画家が、ここでは小さな明るい顔と、こちらを見る目に視線を集めています。
何が描かれているか
三角帽子をかぶる若い女性が、顔をこちらへ向けています。黒い外套は顎の近くまで引き上げられ、手袋をはめた手には閉じた扇。衣も背景も暗く、白い手袋と淡い肌、扇の赤みが、その中から浮かびます。
作品の見どころ
顔のまわりの黒は、一つの塊ではありません。帽子には硬い形があり、首を囲む布はふくらみ、胸元には細かなひだが落ちています。ほとんど同じ暗い色を、筆の向きと光の差で描き分けているのです。明るい顔を包む黒に目を留めると、その表情と輪郭も、いっそうはっきり見えてきます。
制作背景
ワシントン・ナショナル・ギャラリーは1755〜1760年頃の油彩としています。大勢の人物や壮大な建物を描く仕事と並んで、こうした静かな一人の姿もティエポロの世界にあります。装いを描く華やかさを残しながら、見る人と人物のあいだに生まれる、短い視線のやりとりを楽しめます。
出典・画像について
画像:Giovanni Battista Tiepolo《三角帽子の若い女性》/三角帽子の若い女性 — Giovanni Battista Tiepolo / Wikimedia Commons(忠実な二次元複製) / Public Domain Mark 1.0
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