苦しむ町と、雲の上の神を、ひざまずく聖人がつなぎます。小さな油彩スケッチには、完成作で省かれた人物まで残っています。
何が描かれているか
下方で聖テクラが手を広げ、頭上の神へ祈っています。背後には町が遠く見え、右には倒れた人と、そのそばでかがむ人々。上方からは、明るい雲に包まれた神と天使たちが大きく現れます。
作品の見どころ
暗い地上から明るい天上へ、テクラの顔と差し出した腕がつながっています。天使の身体や衣には素早い筆跡が残り、雲の動く方向まで感じられます。右で口元を覆う人物にも目を留めてみましょう。所蔵館によれば、遺体を運び出そうとするこの人物は、完成した祭壇画では省かれました。
制作背景
1758〜1759年、イタリア北東部のエステの大聖堂の祭壇画のために描かれた構想です。主題は、1630年の疫病に苦しむ町のために祈る守護聖人。準備段階の絵を見ると、華やかな天上の光だけでなく、地上の苦しみをどのように組み込もうとしたかまで、制作の途中に近づくことができます。
出典・画像について
画像:Giovanni Battista Tiepolo《疫病に苦しむ人々のために祈る聖テクラ(油彩スケッチ)》/疫病に苦しむ人々のために祈る聖テクラ(油彩スケッチ) — Giovanni Battista Tiepolo / Wikimedia Commons(忠実な二次元複製) / CC0 1.0
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