1565年
46〜47歳頃

磔刑たっけい

画家 ティントレット
Crucifixion / サン・ロッコ大信徒会館
巨大な横長画面で、磔刑の周囲に集まる人々の異なる反応を追う。

何が描かれているか

キリストの十字架を中心に、他の十字架を立てる人、馬に乗る人、座り込む人が広い丘へ散らばる。手前では女性たちが倒れた人物に寄り添う。
一人の表情を拡大する代わりに、受難の場に集まった人々を見渡させる。画面の端まで動きが続き、中心へ戻るまで時間がかかる。

作品の見どころ

斜めに伸びる梯子はしご、槍、綱が、中央の縦の十字架へ目を運ぶ。大勢を配置しても視線が迷い続けないのは、線の向きと明暗が繰り返し中心を指すからである。
薄暗い地面、赤い服、明るい肌が点々と現れる。少し離れると群衆全体の流れが見え、近づくとそれぞれの身振りが別の話を始める。

制作背景

所蔵するサン・ロッコ大信徒会館は、画家が1565年にこの巨大な《磔刑》を完成したと記す。横幅は5メートルを超え、会館の部屋の壁を占める。
一枚だけの注文ではなく、室内の受難の連作れんさくの一部である。連作全体を本作の一点として数えず、ここではこの横長の画面を紹介する。 会館の記録では翌年以降も同じ部屋の絵が描かれ、受難を主題とする構成が整った。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
サン・ロッコ大信徒会館
位置づけ
サン・ロッコ大信徒会館の巨大な受難画で、画家の主要な公共制作。

出典・画像について

画像:Tintoretto磔刑》/磔刑 — Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-23 確認)
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