何が描かれているか
使徒たちが長い食卓を囲み、中央付近のキリストから光が広がる。食卓は画面と平行ではなく、手前右から奥左へ急角度で伸び、人物もその線に沿って並ぶ。
手前では給仕の男女が皿や籠を運び、猫も食べ物へ近づく。上方では煙のような光の中に天使たちが現れ、日常の食事と見えない天上が一つの室内へ重なる。
作品の見どころ
宗教画の主役を正面中央へ大きく置かず、働く人々の動きから奥のキリストへ視線を送る。斜めの食卓が遠近法の軸となり、教会の側壁を深い部屋へ変える。
ランプ、キリストの光輪、使徒の衣、天使の淡い輪郭が、暗闇の中で別々の光をつくる。はっきり見える現実と、かすかに見える聖なる領域を光の濃さで区別している。
制作背景
本作はヴェネツィアのサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂の内陣にあり、向かい合う《マナの収集》とともに聖体に関わる主題を形づくる。制作は1592〜1594年頃とされる。
ティントレットの死の直前に完成した大作だが、工房の協力を一律に否定することはできない。現地の建築、向かいの作品、祭壇との関係を含めて設計された教会空間の一部である。