何が描かれているか
粗い木の梁が見える建物の中で、人々が上下二段に分かれている。右上にはマリアと幼いキリストがおり、下では羊飼いたちが集まっている。差し出す手や上を向く顔が、二つの高さをつないでいる。
よくある礼拝の絵のように、全員が幼子の周囲に同じ高さで並んではいない。梁や床が間に入り、上の家族を下から訪ねる形になっている。人の集まりと建物の構造を、一緒に見ると分かりやすい。
作品の見どころ
最初は右上の明るい一角を探し、そこから下へ目を戻してみたい。下の人物の腕が、上にいる人へ向かって伸びている。品物を受け渡す動作が、離れた二つの場所を一つの場面にしている。
屋根から入り込む光も見どころだ。暗い木材や衣服が多いため、白い布や顔の明るさがよく目につく。建物の隅々を同じ明るさにせず、人の動きがあるところへ目が向くような画面になっている。
制作背景
公式記録は制作年代を1578〜1581年とする。サン・ロッコの上階広間を飾る壁画の一つで、天井の旧約聖書の場面と、壁の新約聖書の場面が組み合わされている。
施設の解説も、上の聖家族と下の羊飼いという二段の配置に触れている。誕生の祝いを、木の梁や身近な品物のある場所で描いている点を確かめたい。