1550年以降(晩年・年代未確定)
年齢不詳

マルシュアスの皮剝ぎ

画家 ティツィアーノ →
Apollo a Marsyas / クロムニェジーシュ大司教宮殿
輪郭りんかくをなぞるより、暗い色の中から身体を見つけてみましょう。

何が描かれているか

画面の中央にマルシュアスが逆さに吊るされ、周囲の人物がその身体へ近づいています。アポロンとの音楽の勝負に負け、皮を剝がれるという古代神話の、痛みを伴う場面です。
木の幹と吊られた身体が縦の軸になり、周囲の腕や脚はさまざまな向きへ伸びています。右で考え込むように座る男性は、周囲と対照的です。行動する人と見守る人の違いが見えてきます。

作品の見どころ

肌、木、衣、地面は、くっきりした線で切り分けられていません。褐色かっしょくや金色の小さな色の跡が重なり、身体が暗い空間へ溶けるように見えます。近くで見るほど、筆の動きが感じられます。
明るい肌をたどると、視線は影へ戻ります。人物だけでなく、明るい場所と暗い場所がどこでつながるかを見ると、画面の密度が分かります。

制作背景

所蔵館の教材では1550年以降の作品とされ、宮殿の案内は死の直前に完成した可能性を述べています。制作年は確定していません。細かな輪郭より色の重なりが目立つ、晩年の一枚です。
作品はオロモウツ大司教の所蔵品で、1673年に購入されました。宮殿の案内は、それ以前の来歴に不明な点があるとしています。色の重なりが作る身体と、周囲の人々の違う姿勢を入口に見てみましょう。
制作年代
所蔵館の教材は1550年以降、宮殿の案内は死の直前に完成した可能性としています。制作年は確定しておらず、ここでは晩年の作品として紹介しています。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
クロムニェジーシュ大司教宮殿
位置づけ
晩年の神話画。重なった色と身体、静かな傍観者。

出典・画像について

画像:Titian《マルシュアスの皮剝ぎ》/マルシュアスの皮剝ぎ — Titian / Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(個別ファイル表示)
Commons個別ページの忠実複製のPublic Domain表示。複製の扱いは国・地域で異なります。
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