何が描かれているか
暗い石造建築の中央で、聖母が死んだキリストの身体を支える。画面右下では年老いた人物がひざまずき、左ではマグダラのマリアが腕を上げて手前へ踏み出す。両脇の大きな石像が場面を囲む。
画面右下には小さな奉納画のような部分があり、二人の人物が聖母子へ祈る。大きな聖書の場面と、個人の祈りが同じ画面に重なる。
作品の見どころ
暗い褐色の中で、キリストの身体、石の反射、マグダラの衣が断片的に光る。形を滑らかに整えるより、絵具を置き、こすり、重ねた跡が画面の震えになる。
荒い部分をすべて意図的な完成表現とは言い切れない。この作品はティツィアーノの死後に別の画家が仕上げたため、晩年の筆づかいと未完の状態を分けて考える必要がある。
制作背景
1575年から1576年頃の晩年作で、現在はヴェネツィアのアカデミア美術館にある。ティツィアーノの死去時には完成しておらず、画面には別の画家が引き継いだ部分がある。
パルマ・イル・ジョーヴァネが完成させたことを示す銘が残る。作品名をティツィアーノだけに結びつけても、実際の画面には二人の制作段階があることを忘れない。
出典・画像について
画像:Titian and Palma il Giovane《ピエタ》/Photograph by Didier Descouens, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons.
作品全体を保って縮小し、色補正はしていません。写真はCC BY-SA 4.0です。所蔵施設・文化財制度の利用条件は写真の著作権とは別で、法域や用途による判断が残ります。
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