1545–1546年
50代半ば頃

教皇パウルス3世と孫たち

画家 ティツィアーノ
Pope Paul III with His Grandsons Alessandro and Ottavio Farnese / カポディモンテ美術館(ナポリ)
老教皇が椅子に座り、二人の孫が異なる距離と姿勢で近づく。赤い衣の大きな色面の中に、敬意、警戒、家族政治の緊張が入り交じる。

何が描かれているか

老いた教皇パウルス3世が椅子に座り、右側から孫オッターヴィオが腰を深く曲げて近づく。左奥には、枢機卿すうきけいの赤い服を着たもう一人の孫アレッサンドロが立つ。
三人は同じ家族だが、姿勢も視線もそろわない。教皇は近づくオッターヴィオを見て、アレッサンドロは正面に近い向きで距離を置く。家族肖像が同時に政治的な面会の場面になる。

作品の見どころ

背景、卓上、衣服に赤が広がる一方、顔と手だけは明るく浮かぶ。大きな色面の中で、指先や目線の小さな違いが重要になる。
衣服や周辺には、頭部ほど仕上げられていない部分が残る。荒い筆づかいをすべて晩年の完成表現と決めず、制作が止まった可能性も含めて見る。

制作背景

1545年から1546年、ティツィアーノがローマでファルネーゼ家と関わった時期の作品である。現在はナポリのカポディモンテ美術館にある。
教皇の権威を示す公式肖像でありながら、三人を均等に整列させない。依頼主一家の理想像だけでなく、世代と役割の違いを残した点が特徴である。
完成度に差が残る作品です
頭部など精密な部分と、衣服や周辺の粗い部分が同居します。すべてを意図的な晩年様式とは決めつけません。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
カポディモンテ美術館
制作年
1545–1546年

出典・画像について

出典:カポディモンテ美術館 作品案内2026-09-10 確認)
画像:Titian教皇パウルス3世と孫たち》/Titian, Pope Paul III with His Grandsons, Museo e Real Bosco di Capodimonte, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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