二人の女性の違いと、間で水に触れる幼子を見てみましょう。
何が描かれているか
水槽の両側に、白い衣を着た女性と、赤い布をまとった裸の女性が座っています。間には翼のある幼子がいて、水へ手を入れています。愛をめぐる意味を、人物と物の組み合わせで表した絵です。
左の女性はこちらを見つめ、右の女性は相手へ顔を向けて、小さな灯りを持つ手を上げています。二人はよく似た顔立ちですが、衣、姿勢、視線の向きが、それぞれの違いを示しています。
作品の見どころ
白い衣の折れ目と赤い布の揺れ、肌のなめらかさが描き分けられています。背景も左右で異なり、左には丘の町、右には水辺の集落が見えます。対比は風景へも続いています。
水槽は古代の石棺を思わせる浮彫で飾られています。題名だけで二人を善い愛と悪い愛に分けず、幼子、水、灯り、衣がどう結びつくかを見ると、意味を考える余地が広がります。
制作背景
所蔵館目録は1515〜1516年としています。ニッコロ・アウレリオとラウラ・バガロットの結婚に関わる注文だった可能性が高いとされますが、制作を直接示す文書は確認されていません。
人物の意味には複数の解釈があります。所蔵館は、花嫁の公の姿と私的な愛を表すという読み方を重視しています。一つの正解を断定せず、形の美しさから見てみましょう。
制作年代と解釈
制作年代はボルゲーゼ美術館の現行目録の1515〜1516年に従います。1514年とする資料もあります。結婚に関わる注文や二人の意味には推定と複数の解釈があり、題名だけで善悪を表す絵とは断定できません。
作品情報
位置づけ
初期の愛の寓意画。二人の対比と意味の留保。
出典・画像について
画像:Titian《聖愛と俗愛》/聖愛と俗愛 — Titian / Sailko / CC BY 3.0
画像:Sailko / Wikimedia Commons、CC BY 3.0。全フレーム保持、一覧は等比縮小・同条件。 イタリアの文化財制度・施設条件は著作権とは別の論点で、施設の承認は取得していません。
間違いを見つけたら、教えてください →実物を見に行く
まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。