何が描かれているか
静かな湖の向こうに、青い大きな山が広がっている。山の形は水面にも淡く映り、空は薄い黄色から青へ移る。右には小舟、空には鳥が見え、手前の水辺には人と犬の小さな姿がある。
題名のリギはスイスの山で、湖はルツェルン湖だ。山を輪郭だけで捉えず、その周りの空と水の色まで眺めると、日の出の空気に包まれた景色として見えてくる。
作品の見どころ
青い山と黄色い空の境目は、硬い線で切り分けられていない。色が淡く重なることで、山の大きさを感じながらも、霧や遠さが伝わる。水面の反射も、山をもう一度はっきり写すというより、色の広がりになっている。
手前の鳥や犬の姿を見つけた後、遠くの山へ目を戻してみよう。小さく動くものと、広く静かなものが同じ画面にある。薄い水彩の中でも、黒い小さな形が眺めの目印を作る。
制作背景
テートは1842年の水彩と記録している。紙の大きさは縦29.7、横45センチで、晩年のスイスの風景を扱う一点だ。
同じ山を描いた赤いリギ、暗いリギと比べると、山の主題を変えずに、光と色の違いを表せることが分かる。青い山は単独で描かれるだけでなく、空や水との色の釣り合いの中に置かれている。