1812年出品
37歳頃

吹雪―アルプスを越えるハンニバルと軍隊

画家 J・M・W・ターナー →
Snow Storm: Hannibal and his Army Crossing the Alps / テート
歴史の英雄より、巨大な吹雪が画面を支配します。古代のアルプス越えを、自然に圧倒される人間の場面として描いた作品です。

何が描かれているか

黒い雲が大きな渦うずを作り、雪や光が山の斜面へ流れ込んでいる。画面の下には岩や人々が集まり、遠くへ小さな軍隊が続く。左上の黄色い太陽も、厚い雲の向こうにかすんで見える。
主題は、古代カルタゴの将軍ハンニバルが軍隊を率いてアルプスを越える場面だ。テートの解説では、象に乗った将軍も描かれているが、英雄の姿は大きな吹雪に押し包まれている。

作品の見どころ

下の人々から上の雲へ目を動かすと、人間の小ささと嵐の大きさの違いがはっきりする。渦の中心をたどると、歴史上の出来事を説明する絵というだけでなく、天候の中へ引き込まれる感覚も生まれる。
手前の岩や人物は暗く細かい一方、空は広い色の動きでつながる。何が起きているかを細部から探し、その後で全体へ戻ると、軍隊を囲む力の強さが分かる。

制作背景

本作は1812年、英国のロイヤル・アカデミー展に出品された。テートによると、大作を高く掛ける慣例に対し、目の高さに展示された。
所蔵館は、当時のナポレオン戦争との関係を示唆している。ただし古代の将軍とナポレオンを重ねる意味は解釈であり、画家が明示した説明として断定しない。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
テート
目録番号
N00490
寸法
146 × 237.5 cm(高さ×幅)

出典・画像について

画像:J. M. W. Turner《吹雪―アルプスを越えるハンニバルと軍隊》/J. M. W. Turner / Tate(現行ファイルの配布元)/ Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-10-01 確認)
忠実な二次元複製の扱いは国・地域で異なる。テート由来画像には英国での写真の権利主張がある。取得画像の全景と四辺を保持。紙の地、描かれた枠線、文字、署名を残す。長辺2400px以内に等比縮小(拡大なし)。色補正・生成AI処理なし。
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