1845年頃
70歳頃

ノーラム城―日の出

画家 J・M・W・ターナー →
Norham Castle, Sunrise / テート
建物の輪郭りんかくが、黄色い光の中へ消えていきます。若い頃から描いた城の主題を、晩年の油彩ゆさいで捉え直した作品です。

何が描かれているか

黄色い光が空と川を満たし、青い城の形が中央付近にかすんでいる。手前には赤茶色の牛が小さく見え、城や岸の色は水面へ淡く映る。はっきりした輪郭が少なく、風景全体が光に包まれているように感じられる。
場所は、スコットランドとの境に近いイングランドのノーラム城とツイード川だ。城だけを探してから周囲の黄色へ目を広げると、建物と光のどちらが画面の中心なのかを考えたくなる。

作品の見どころ

青と黄色は、明暗だけでなく色の違いによって城と空を分けている。輪郭が曖昧でも、中央の青いかたまりと水面の反射が、城の位置を知らせる。
淡い水彩のように見えても、本作はカンヴァスに油彩で描かれている。細部をすべて説明する描き方とは違い、広い色の面をつなぐことで、朝の光そのものを眺める感覚が生まれる。

制作背景

テートは1845年頃と記録する。ターナーは1797年にこの城を見て、1801年と1831年にも訪ねた。長く繰り返した主題である。
本作は、以前の版画はんが集《リベル・ストゥディオルム》の構図こうずを捉え直した油彩の一つだ。所蔵館の目録では未完成作に含まれ、生前には知られていなかった。今見える自由な色の表現と、制作途中という状態の両方に目を向けたい。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
テート
目録番号
N01981
寸法
90.8 × 121.9 cm(高さ×幅)

出典・画像について

出典:テート:Norham Castle, Sunrise(2026-10-01 確認)
画像:J. M. W. Turner《ノーラム城―日の出》/J. M. W. Turner / The Yorck Project / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-10-01 確認)
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