1835年頃
60歳頃

サンタ・マリア・デッラ・サルーテの柱廊から見たヴェネツィア

画家 J・M・W・ターナー →
Venice, from the Porch of Madonna della Salute / メトロポリタン美術館
宮殿の足元が、運河の反射へほどけていきます。水彩で培った光と水の表現を油彩ゆさいへ生かした、ヴェネツィアの眺めです。

何が描かれているか

明るい空の下、ヴェネツィアの水路に帆船や小舟が集まっている。左には宮殿と高い鐘楼、右には白い建物と階段が見える。建物や帆の色が水面へ細く伸び、空と町と水が淡い光でつながっている。
船に掲げられた旗や、階段にいる人々を探してみよう。遠くまで続く町の眺めの中に、乗船や水辺の移動といった小さな生活の場面も見えてくる。

作品の見どころ

左の建物の窓から、その真下の水へ目を移すと、硬い形が細い色の揺れに変わる。メトロポリタン美術館は、この繊細な反射に、海景画の経験と水彩の技術が生かされていると説明する。
本作は水彩ではなく、カンヴァスに油彩で描かれている。白や青の薄い広がりと、船の赤や暗い影を見比べると、明るい画面にも細部を区別する色の差があると分かる。

制作背景

所蔵館の年記は1835年頃で、その年にロンドンのロイヤル・アカデミー展へ出品された。
構図こうずのもとには、1819年の最初のヴェネツィア旅行で描いた鉛筆画がある。ただし所蔵館は、1833年の二度目の訪問の成果としても位置づけている。旅の記録を後で展覧会用の作品へ育てた例である。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
メトロポリタン美術館
目録番号
99.31
寸法
91.4 × 122.2 cm(高さ×幅)

出典・画像について

画像:J. M. W. Turner《サンタ・マリア・デッラ・サルーテの柱廊から見たヴェネツィア》/J. M. W. Turner / The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0(画像情報:2026-10-01 確認)
取得画像の全景と四辺を保持。紙の地、描かれた枠線、文字、署名を残す。長辺2400px以内に等比縮小(拡大なし)。色補正・生成AI処理なし。
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