1434年
40代頃

アルノルフィーニ夫妻像

画家 ヤン・ファン・エイク
The Arnolfini Portrait / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
室内の人物、犬、鏡、光を驚くほど細かく描く。場面の意味や人物同定は、一つの答えに決まっていない。

何が描かれているか

毛皮の縁取りがある黒い衣の男性と、長い緑の衣の女性が室内に立ち、手を取り合う。足元には小型犬、奥の壁には丸い鏡がある。
窓から入る光が、寝台、果物、木靴、シャンデリアを照らす。鏡には二人の背中と、戸口に立つ別の人物まで小さく映る。人物の間に空いた細い隙間の奥へ鏡が置かれ、部屋の前後を一本の視線で結んでいる。

作品の見どころ

凸面鏡を使うと、正面の絵だけでは見えない部屋の反対側まで画面に入る。鏡の周囲にはキリスト受難の小場面が並ぶ。
緑の衣の膨らみは当時の布の持ち方でも生じるため、妊娠の証拠にはならない。細部をすべて一つの暗号に決めつけず、確かな物と解釈を分けて見る。犬、履物、果物を先に数えるより、窓から鏡へ移る光を追うと、室内の奥行きが捉えやすい。

制作背景

1434年の署名があり、ナショナル・ギャラリーがNG186として所蔵する。
人物をジョヴァンニ・ディ・ニコラオ・アルノルフィーニ夫妻とする従来説には再検討がある。結婚、婚約、追悼など場面の意味にも複数の説が残る。題名は広く定着している一方、人物と場面の確定名ではないことを覚えておくと、複数の解釈を比べやすい。
人物と場面の意味には議論があります
結婚式の記録画、婚約、追悼など多くの説があり、女性が妊娠しているとも断定できません。

作品情報

材質・技法
オーク板に油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー
目録番号
NG186

出典・画像について

出典:ナショナル・ギャラリー NG1862026-09-10 確認)
画像:Jan van Eyckアルノルフィーニ夫妻像》/Jan van Eyck, アルノルフィーニ夫妻像, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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