1436年
40代頃

ファン・デル・パーレの聖母子せいぼし

画家 ヤン・ファン・エイク
Madonna with Canon Joris van der Paele / グルーニング美術館(ブルッヘ)
聖母子、聖人、寄進者を一つの空間へ置き、金属、布、肌、毛皮の違いを光で描き分ける。

何が描かれているか

中央の玉座に聖母子が座り、左に聖ドナティアヌス、右に甲冑姿の聖ゲオルギウスが立つ。白い法衣の寄進者ヨリス・ファン・デル・パーレがひざまずく。
聖ゲオルギウスは兜を上げ、幼子おさなごへ寄進者を紹介する。寄進者は眼鏡と祈祷書を持ち、老いた顔と手が細かく描かれる。赤い衣の大きな面を中心に、白い法衣と光る甲冑が左右から挟み、寄進者の祈りを囲んでいる。

作品の見どころ

甲冑には聖母の赤い衣や周囲の光が小さく映り込む。金属、毛皮、絹、石を光の違いとして描き分ける技術がよく分かる。
人物は実物大に近く、狭い後陣に密集する。聖人と現実の寄進者の距離を縮め、個人の祈りを目に見える対面へ変える。甲冑の反射だけでなく、絨毯、刺繍、毛髪の表面を見比べると、素材ごとの光の扱いがよく分かる。

制作背景

1436年完成。ブルッヘの聖ドナティアヌス教会で、ファン・デル・パーレのために制作された。現在はグルーニング美術館が所蔵する。
額縁は当初のもので、注文主、作者、完成年を含む銘文がある。《ヘントの祭壇画さいだんが》に次ぐ大きな現存作と所蔵館は説明する。教会内に置かれた本来の用途を考えると、寄進者が聖人に紹介される場面は個人の記念と祈りを兼ねていた。

作品情報

材質・技法
オーク板に油彩ゆさい
所蔵
グルーニング美術館
目録番号
0000.GRO0161.I

出典・画像について

出典:Musea Brugge GRO01612026-09-10 確認)
画像:Jan van Eyckファン・デル・パーレの聖母子》/Jan van Eyck, ファン・デル・パーレの聖母子, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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