何が描かれているか
左では、十字架にかけられたキリストの下に大勢の人が集まっている。手前には悲しむ人々、その奥には馬に乗る人々が見え、さらに遠くへ町と山々が広がる。小さな画面に、近くから遠くまでの距離が詰まっている。
右は、世界の終わりに人々が裁かれる最後の審判だ。上にはキリストと天上の人々、中央には大天使、下には折り重なる体や怪物が描かれる。左の出来事を眺める視点から、右の上下に分かれた世界へ目を移してみたい。
作品の見どころ
群衆の中の顔や姿勢を見比べると、悲しむ人、見物する人などの違いが見えてくる。一方、右では整って並ぶ上方の人々と、混み合う下方の体が強い対照を作っている。
額の文字も画面の一部として眺めたい。所蔵館は、元の額に聖書の文章があると説明する。絵の細部を読むことと、言葉を読むことが隣り合っている。
制作背景
現行の英語目録は1436〜1438年頃とするが、古い館内資料には別の年代も残る。板に描いた油彩は、のちにカンヴァスへ移された。
現在は二枚を並べて見られるが、技術調査では、元は三翼祭壇画の両翼や聖なる物を納める容器の扉だったとされる。初めから独立した二枚組だったと決めつけずに見たい。