1436〜1438年頃
40代頃(生年推定)

キリストの磔刑たっけいと最後の審判

画家 ヤン・ファン・エイク →
The Crucifixion; The Last Judgment / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
地上の群衆と、天国から地獄へ続く世界。同じ細長い画面でも、人の集まり方が大きく違う。

何が描かれているか

左では、十字架にかけられたキリストの下に大勢の人が集まっている。手前には悲しむ人々、その奥には馬に乗る人々が見え、さらに遠くへ町と山々が広がる。小さな画面に、近くから遠くまでの距離が詰まっている。
右は、世界の終わりに人々が裁かれる最後の審判だ。上にはキリストと天上の人々、中央には大天使だいてんし、下には折り重なる体や怪物が描かれる。左の出来事を眺める視点から、右の上下に分かれた世界へ目を移してみたい。

作品の見どころ

群衆の中の顔や姿勢を見比べると、悲しむ人、見物する人などの違いが見えてくる。一方、右では整って並ぶ上方の人々と、混み合う下方の体が強い対照を作っている。
額の文字も画面の一部として眺めたい。所蔵館は、元の額に聖書の文章があると説明する。絵の細部を読むことと、言葉を読むことが隣り合っている。

制作背景

現行の英語目録は1436〜1438年頃とするが、古い館内資料には別の年代も残る。板に描いた油彩ゆさいは、のちにカンヴァスへ移された。
現在は二枚を並べて見られるが、技術調査では、元は三翼祭壇画さいだんがの両翼や聖なる物を納める容器の扉だったとされる。初めから独立した二枚組だったと決めつけずに見たい。
資料によって年代と作者の表記に違いがあります
現行英語目録とAPIの1436〜1438年頃を採用。日本語解説は1440年頃とし、最後の審判の上半分への助手の関与にも言及しています。

作品情報

材質・技法
油彩・カンヴァス(板から移したもの)
所蔵
メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
目録番号
33.92ab
位置づけ
群衆を描く受難画と最後の審判の対比

出典・画像について

画像:Jan van Eyck《キリストの磔刑と最後の審判》/キリストの磔刑と最後の審判 — Jan van Eyck / The Metropolitan Museum of Art
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-08 確認)
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