ドレスデンの三翼祭壇画
画家 ヤン・ファン・エイク →Triptych of the Virgin and Child, Saint Catherine and the Archangel Michael with a Donor / アルテ・マイスター絵画館(ドレスデン)
三つの小さな画面を、柱や床が一つの室内へつなぐ。扉を開いて向き合う、携帯用の祭壇画。
何が描かれているか
中央には赤い衣をまとった聖母マリアと幼いキリストが座っている。左の扉では、よろいを着た大天使ミカエルが、ひざまずく男性のそばに立つ。右には本を読む聖カタリナが描かれ、足元には車輪と剣が見える。
三翼祭壇画とは、中央の絵に左右の開閉できる扉を付けたものだ。ここでは、柱や床の模様が三つの画面をつなぎ、扉ごとに人物を分けながら、一つの教会の中にいるように見せている。
作品の見どころ
まず中央の赤と、右の青い衣の違いを見てから、奥へ続く柱や天井を追ってみたい。小さな板の上でも、手前の敷物から奥の建築まで、目を動かす道筋が用意されている。
幼いキリストの手には文字を書いた帯がある。左の男性はこの絵を寄進した人だが、名前は分かっていない。よく描かれた顔があることと、その人物の身元が分かることは別だ。
制作背景
所蔵館は1437年の制作、オーク板に油彩と記録する。また、個人が祈るための携帯用の祭壇画だったと説明している。
大きな教会で皆が見る《ヘントの祭壇画》と比べると、近くで向き合う小さな絵の働きを考えやすい。細部を追うだけでなく、扉を開いて祈る人の前に、この空間が現れる様子を想像してみたい。
出典・画像について
画像:Jan van Eyck《ドレスデンの三翼祭壇画》/ドレスデンの三翼祭壇画 — Jan van Eyck / Google Arts & Culture / Wikimedia Commons
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