1437年頃
40代頃

ルッカの聖母

画家 ヤン・ファン・エイク
Lucca Madonna / シュテーデル美術館(フランクフルト)
授乳する聖母子せいぼしを狭い室内へ置く。大きく見える赤い衣と細かな生活道具が、親密さと威厳を両立させる。

何が描かれているか

聖母は赤い衣を大きく広げて玉座に座り、裸の幼子おさなごへ授乳する。足元には幾何学模様のタイルが奥へ続く。
窓辺と棚には、水差し、鉢、果物などの小さな物が置かれる。聖なる人物が、手の届きそうな室内へ現れる。聖母の赤い衣が手前へ張り出し、狭い部屋の中で母子だけを大きく包み込むように見える。

作品の見どころ

赤い衣は玉座の形を包み込み、画面の大部分を占める。細かな床や木材に対し、布の大きな面が人物を近く見せる。
授乳する聖母は幼子の人間らしい身体を強調する。家庭的な動作と玉座の威厳を同時に見せる点が特徴である。左右の窓や棚から中央の母子へ目を戻すと、日用品のある室内と玉座の厳かな形が同居している。

制作背景

シュテーデル美術館は1437年頃、目録番号944として所蔵する。名称はかつてルッカ公のコレクションにあったことに由来する。
小型の個人礼拝用と考えられるが、最初の注文主は確認できていない。注文主が不明なため、特定の人物の事情へ結びつけず、小ささと近距離で見る構成から用途を考える。

作品情報

材質・技法
オーク板に油彩ゆさい
所蔵
シュテーデル美術館
目録番号
944

出典・画像について

出典:シュテーデル美術館 9442026-09-10 確認)
画像:Jan van Eyckルッカの聖母》/Jan van Eyck, ルッカの聖母, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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