1433年
40代頃

赤いターバンの男の肖像

画家 ヤン・ファン・エイク
Portrait of a Man (Self Portrait?) / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
赤い頭巾と正面を射る視線が、小さな板を強い存在感で満たす。自画像説は有力でも確定ではない。

何が描かれているか

赤い布を幾重にも巻いた頭巾の男性が、暗い無地の背景から浮かぶ。身体より顔が大きく見え、目、鼻、口、無精ひげへ視線が集まる。
画面上部と下部の枠には、署名、日付、銘句が記される。人物は画面外の鑑賞者をまっすぐ見返す。頭巾の横幅に対して肩を狭く収めた構図こうずが、顔と目線をいっそう近く感じさせる。

作品の見どころ

赤い頭巾は折り目ごとに明暗が変わり、顔の細かな凹凸と対照を作る。小さな画面でも色と視線が強い存在感を生む。
近くで観察して描いたような目の表現と『私にできるかぎり』という銘句が、画家自身の像という考えを促した。左右の目の高さや口元のわずかな違いを見ると、整った理想像より生身の表情が前に出てくる。

制作背景

1433年10月21日と記され、ナショナル・ギャラリーがNG222として所蔵する。
一般に自画像と呼ばれることがあるが、本人と確認できる同時代資料はない。このサイトでも『自画像の可能性がある男性像』として扱う。署名や銘句は作者との関係を示す重要な手掛かりだが、それだけで描かれた人物を本人とは断定できない。
自画像とは断定できません
強い視線や画家の銘句から自画像と考えられてきましたが、人物の身元を示す決定的証拠はありません。

作品情報

材質・技法
オーク板に油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー
目録番号
NG222

出典・画像について

出典:ナショナル・ギャラリー NG2222026-09-10 確認)
画像:Jan van Eyck赤いターバンの男の肖像》/Jan van Eyck, 赤いターバンの男の肖像, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
忠実な美術作品複製の法的扱いには法域差があります。
間違いを見つけたら、教えてください →