王冠も玉座もないのに、なぜ王に見えるのでしょう。帽子の角度、腰に置く手、少し低い視点。狩りの休息という身近な姿にも、王の威厳が組み立てられています。
何が描かれているか
馬から降りたチャールズ1世が、こちらへ顔を向けています。右では従者が馬を押さえ、王の後ろには風景と広い空が続きます。伝統的に「狩り」の肖像と呼ばれますが、獲物を追う場面は描かれていません。
作品の見どころ
左腕の肘がこちらへ突き出し、杖は足元までまっすぐ下がります。顔を空に重ね、低い位置から見上げるように描くことで、軽装の人物にも大きな存在感が生まれています。王冠の代わりに、姿勢や空間が働く肖像です。
制作背景
ルーヴルの作品総目録は、制作年を1636年頃としています。イギリス宮廷での仕事が充実した時期の作品で、よろいを着た騎馬像とは違う方法で王の姿を見せています。
出典・画像について
画像:Anthony van Dyck《狩猟場のチャールズ1世》/狩猟場のチャールズ1世 — Anthony van Dyck; Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
採用した配布画像の全景を使用。比例縮小のみで、拡大や色補正はしていません。
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