自画像(肖像版画集〈イコノグラフィア〉)
画家 アンソニー・ヴァン・ダイク →Self-Portrait, from The Iconography / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
顔は細かな線で浮かぶのに、首から下には白い紙が広がっています。これは肖像版画が描き進められる前の刷り。絵の具とは違う、線だけで生まれる顔に出会えます。
何が描かれているか
画家自身の顔を刻んだエッチングです。金属の版に線をつくり、インクを詰めて紙へ刷り取る技法で、ここでは髪や目、口元が細かな線の集まりから現れています。
作品の見どころ
首や襟にはわずかな線しかなく、その下はほとんど白いままです。これは、版を彫り加えていく前の「第1ステート」と呼ばれる段階の刷りです。後に手が加えられた版と、同じ姿として扱うことはできません。
制作背景
ヴァン・ダイクは、貴族だけでなく学者や画家たちを集めた肖像版画集にも取り組みました。メトロポリタン美術館は、この自画像を1640年頃としています。油彩の宮廷肖像とは違う、線の軽やかさを知るための一枚です。
作品情報
材質・技法
エッチング(7ステート中の第1ステート)
掲載する刷り
7ステート中の第1ステート。胸像や台座が補刻された完成版とは別です。
出典・画像について
画像:Anthony van Dyck《自画像(肖像版画集〈イコノグラフィア〉)》/自画像(肖像版画集〈イコノグラフィア〉) — Anthony van Dyck; Museum Open Access / Wikimedia Commons / CC0 1.0
採用した配布画像の全景を使用。比例縮小のみで、拡大や色補正はしていません。
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