振り返る顔の下で、白い襟と黒い服が素早い筆跡に変わります。王侯の姿を整えてきた画家が、自分の顔と装いをどのように見せたのか、近くで追える自画像です。
何が描かれているか
1640年頃、晩年のヴァン・ダイクが自分を描いた肖像です。体は横へ向けながら、顔だけをこちらへ振り返らせています。長い髪と大きな白い襟が、その顔を取り囲みます。
作品の見どころ
顔はなめらかに描かれていますが、襟や黒い服には幅のある筆の動きが残っています。白や灰色の線が、布のひだや切れ込みに変わるところを追うと、姿の優雅さと絵を描く手の速さが一緒に見えてきます。
制作背景
ナショナル・ポートレート・ギャラリーが所蔵する自画像です。少年期の自画像と比べると、肩越しに振り返る姿は似ていても、髪や衣装、筆の動きは大きく違います。短い生涯の中で育った肖像表現を、自分の姿でも確かめられます。
作品情報
所蔵
ナショナル・ポートレート・ギャラリー(ロンドン)
出典・画像について
画像:Anthony van Dyck《晩年の自画像》/晩年の自画像 — Anthony van Dyck; Wikimedia Commons / Public Domain Mark 1.0
採用した配布画像の全景を使用。比例縮小のみで、拡大や色補正はしていません。楕円の絵の外の白地も含みます。
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