何が描かれているか
広い宮殿の部屋で、中央の王女マルガリータを二人の侍女が囲む。右には小人症の宮廷人、犬、付き添いの人々がいて、左ではベラスケス自身が大きな画布の前に立つ。
奥の鏡には国王フェリペ4世と王妃マリアナが映り、開いた扉には一人の人物が立つ。手前から奥まで複数の視線が交差するが、ベラスケスが何を描いているかは画布の裏に隠れている。
作品の見どころ
中央の王女だけを見ると宮廷の日常の一場面に見える。画家の視線を追うと、画面外に国王夫妻や鑑賞者が立つ可能性が生まれる。鏡を見ると、部屋の奥と手前の関係がさらに入れ替わる。
光は右の見えない窓から入り、王女と侍女を照らして奥の扉へ抜ける。床、天井、壁の額、画布の縦線が深い空間を作り、人が立つ場所だけでなく、見る人が立つ場所まで絵の一部にする。
制作背景
1656年の油彩画で、プラド美術館がP001174として所蔵する。画面左には、大きな画布の前で制作中のベラスケス自身が描かれている。
鏡が国王夫妻の実像を映すのか、画中の絵を映すのか、ベラスケスが誰を描いているのかには複数の議論がある。このページでは一つを正解とせず、人物、鏡、画布、鑑賞者の位置関係を追う。