1634–1635年
35〜36歳頃

皇太子バルタサール・カルロス騎馬像

画家 ディエゴ・ベラスケス
Prince Baltasar Carlos on Horseback / プラド美術館(マドリード)
幼い王子を大きな馬の上へ置き、低い地平線と広い空を背に見上げさせる。子どもの身体と、王位継承者に求められた公式像が重なる。

何が描かれているか

幼い皇太子バルタサール・カルロスが、後脚で立つ馬にまたがる。右手に指揮棒、左手に手綱を持ち、金色と黒の衣装、帽子、風になびく飾りを身につける。
地平線は低く、空が画面の大部分を占める。馬の腹の下から遠い平原と雪をいただく山が見え、王子と馬は実際より高い場所に現れたように見える。

作品の見どころ

小さな子どもに対して馬の身体は大きく、前脚は宙に上がる。それでも王子の上半身は崩れず、まっすぐ前を向く。子どもらしい顔と、将来の統治者を示す指揮棒が同じ姿に重なる。
馬の輪郭りんかく、薄い雲、遠景の山は、近くでは速い筆の跡に見える。離れると空気の層と動きに変わり、細部を固く描き込まずに広い屋内で見える効果を作る。

制作背景

1634年から1635年の作品で、プラド美術館がP001180として所蔵する。幼い皇太子を全身の騎馬像として表した、王家の公式肖像である。
宮殿で高い位置に置かれることを考えると、低い地平線と見上げる構図こうずが働く。現在の美術館の高さだけでなく、王家の歴史を示す大広間の一部だったことを想像すると、空の広さの意味が分かりやすい。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
プラド美術館
目録番号
P001180

出典・画像について

画像:Diego Velázquez皇太子バルタサール・カルロス騎馬像》/Diego Velázquez, 皇太子バルタサール・カルロス騎馬像, via Wikimedia Commons.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-10 確認)
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