何が描かれているか
薄暗い手前の工房で女性たちが糸を紡ぐ。左の年長の女性は糸を扱い、右の若い女性は背を向けて糸を巻く。画面左では回転する糸車が、輪郭の消えた円のように見える。
数段高い奥の明るい場所には、豪華な衣装の女性たちと大きな壁掛けが見える。手前の日常的な仕事場と、奥の舞台のような空間が、一つの開口部を通してつながる。
作品の見どころ
糸車の回転、素早く動く手、背を向ける女性の輪郭は、細部を止めずに描かれる。絵具のぼかしが、静止画の中に仕事の速度と、目が動く物を追い切れない感覚を作る。
奥の場面は、織物で女神ミネルヴァに挑んだアラクネの物語と結びつけられてきた。手前の労働と奥の美術を上下に分けず、糸、布、絵画がどこでつながるかを見る。
制作背景
1655年から1660年の作品で、プラド美術館がP001173として所蔵する。アラクネの寓話、美術と手仕事、権力など複数の読み方が提示されてきたため、作者の意図を一つに固定しない。
18世紀には画面の上、左右、下へ画布が付け足された。現在のプラドの展示はその追加部分を隠し、ベラスケスが描いた構図に近い範囲を見せている。作品の制作と、後世に変わった外形を分けて考える必要がある。