マルタとマリアの家のキリスト
画家 ヨハネス・フェルメール →Christ in the House of Martha and Mary / スコットランド国立美術館(エディンバラ)
パンを運ぶマルタと、足元で話を聞くマリア。三人の視線と手が、聖書の場面を身近な対話に変えています。
何が描かれているか
椅子に座るキリストが、足元のマリアへ手を差し出しています。マリアは頬に手を添えて話を聞き、後ろのマルタは籠に載せたパンを運びます。三人の体が画面を大きく占めています。
題材はルカによる福音書の一場面です。もてなしの仕事に忙しいマルタに対し、マリアはキリストの言葉に耳を傾けます。食べ物を運ぶ行為と、話を聞く姿を並べて見られます。
作品の見どころ
見どころは、三人の間をつなぐ手と視線です。白い卓布を背景にしたキリストの手が、暗い室内でもはっきり見えます。その先を追うと、赤い服のマリアへ目が移ります。
青い衣の深い陰と、パンや卓布の明るさを比べてみてください。大きな身振りがありながら、遠い聖書の物語を同じ部屋で聞いているような、落ち着いた場面になっています。
制作背景
制作は1654〜1655年頃とされ、フェルメールの初期に当たります。後の小さな日常の室内画とは規模も題材も異なり、若い時期には宗教画にも取り組んでいたことが分かります。
大きさと題材から、注文を受けて描いた可能性が考えられています。ただし注文主や当初の設置先は確定していません。特定の教会のための絵と決めず、初期作の幅を示す一点として見られます。
作品情報
位置づけ
初期の大きな宗教画から、後の室内画との違いを見られる作品。
出典・画像について
画像:Johannes Vermeer《マルタとマリアの家のキリスト》/マルタとマリアの家のキリスト — Johannes Vermeer / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の複製画像。扱いは国・地域で異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →実物を見に行く
まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
もっと知りたいフェルメール 改訂版
小林 頼子 著 / 東京美術
初期の物語画から風俗画への転身、その後の画風の変化を作品とともにたどる本です。
楽天ブックスで見る →