手紙を持つ召使いと、書きかけの手を止めたように見える女主人。暗い背景が、顔と指先の小さな動きを浮かび上がらせます。
何が描かれているか
黄色い上着の女主人が卓の前に座り、左の召使いへ顔を向けています。召使いは白い手紙を差し出すように持っています。女主人の片手は卓の紙の近くにあり、もう一方は頬へ上がっています。
毛皮の縁と真珠、青い卓布が明るく浮かび、背後は深い暗がりに沈んでいます。窓や地図のある広い部屋を見せる作品に比べ、二人の上半身が迫ってきます。
作品の見どころ
見どころは、手紙を挟んだ顔と手の動きです。女主人が何を考えているのかは、表情だけで一つに決められません。届いた知らせへ注意が移ったような、短い間が画面に留められています。
卓の道具や服を見た後、二人の視線へ戻ってみてください。物の華やかさより、相手の言葉を待つような顔が気になってきます。手紙そのものの文章は、読めません。
制作背景
制作は1666〜1667年頃とされます。手紙を読み書きする人物は、フェルメールが繰り返した主題です。この絵では、背景を暗くした大きな人物によって、二人のやり取りへ目が集まります。
1919年に取得され、ヘンリー・クレイ・フリックが最後に購入した絵画となりました。差出人や人物の実名は確定せず、恋の知らせとも決めつけずに、手紙が会話を動かす場面として見られます。
作品情報
位置づけ
大きな人物と暗い背景から、後期の手紙の主題を見られる作品。
出典・画像について
画像:Johannes Vermeer《女主人と召使い》/女主人と召使い — Johannes Vermeer / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の複製画像。扱いは国・地域で異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →実物を見に行く
まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。
この画家について本で読む
もっと知りたいフェルメール 改訂版
小林 頼子 著 / 東京美術
初期の物語画から風俗画への転身、その後の画風の変化を作品とともにたどる本です。
楽天ブックスで見る →