大きな帽子をかぶった男性の向こうで、女性が笑っています。窓の光と二人の大きさの差が、会話のある室内に奥行きをつくります。
何が描かれているか
窓の近くで、男性と女性が卓を挟んで向かい合っています。手前の男性は大きな黒い帽子と赤い上着を着け、背をこちらに向けています。奥の女性は明るい顔で笑い、両手を卓の上へ出します。
女性の後ろには大きな地図が掛かり、左の窓は内側へ開いています。小さな室内の会話ですが、壁の地図と窓を通して、部屋の外にも世界が続いているように見えます。
作品の見どころ
まず、二人の体の大きさを比べてみてください。近くの男性が大きく、奥の女性が小さく見える差によって、短い卓の間にも距離が生まれます。男性の暗い輪郭が女性の明るさを引き立てます。
帽子に隠れた男性の表情は読みにくい一方、女性の笑顔はよく見えます。会話の言葉は描かれていません。顔と手の動き、窓からの光を手掛かりに、二人のやり取りを想像できます。
制作背景
1657年頃の作品とされ、フリック・コレクションは1911年に取得しました。窓から光が入る日常の室内は、その後のフェルメールでも繰り返される舞台になっていきます。
二人の実名や関係は確定していません。親しい会話にも見えますが、恋人と決める必要はありません。大きさと明るさの差に注目すると、短い距離の中に描かれた豊かな空間を味わえます。
作品情報
位置づけ
明るい窓と近い人物の大小で、初期の室内表現を見られる作品。
出典・画像について
画像:Johannes Vermeer《士官と笑う娘》/士官と笑う娘 — Johannes Vermeer / Wikimedia Commons
CommonsのPublic Domain表示の複製画像。扱いは国・地域で異なります。
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