1562年
30代半ば頃

聖ニコラウスの司教叙階

画家 パオロ・ヴェロネーゼ →
The Consecration of Saint Nicholas / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
ひざをつく人物と降りてくる天使を結ぶと、縦長の祭壇画さいだんがの組み立てが見えてくる。

何が描かれているか

緑色の衣を着たニコラウスがひざをつき、その周りを聖職者たちが囲む。上からは天使が、司教の帽子や杖を持って降りてくる。ニコラウスが司教に任じられる場面を描いた祭壇画だ。
題材は『黄金伝説』という聖人の物語集に伝わる話に基づく。天使が儀式に必要な品を運ぶことで、この役割が神に選ばれたものだと示す。伝説を絵にしたものだ。

作品の見どころ

画面の人物は、中央の低い位置へ向かうV字のように配置されている。その底にいるニコラウスから、上の天使へ目を動かすと、縦長の形が主題を伝えるために使われていることが分かる。
白い衣服に当たる光と、鮮やかな緑の衣を見比べよう。近くで見ると細かな線や点に見える筆遣いが、離れると布の折り目や輝きになる。距離によって変わる印象も面白い。

制作背景

1562年、マントヴァ近郊のサン・ベネデット・ポ修道院しゅうどういん教会のために制作された。1561年末に記録された注文では、ニコラウスなど三人の聖人の生涯から、三枚の祭壇画が求められていた。
高さ約2.9メートルの作品で、現在はロンドンのナショナル・ギャラリーにある。宴会の絵で知られるヴェロネーゼが、教会の場に合わせ、色彩と人物配置で祈りの中心をつくる姿も確かめられる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
目録番号
NG26
位置づけ
教会の注文による大型祭壇画

出典・画像について

画像:Paolo Veronese《聖ニコラウスの司教叙階》/聖ニコラウスの司教叙階 — Paolo Veronese / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-10-09 確認)
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