何が描かれているか
三つの大アーチが開く広間で、キリストが長い食卓の中央に座る。使徒だけでなく、豪華な衣装の客、給仕、兵士、道化、子ども、犬が階段と回廊を行き交う。
白い建築は奥の青空へ抜け、左右の階段から人が出入りする。食卓の中心は静かだが、周囲では会話、配膳、警備、遊びが同時に起こり、都市の祝祭のように見える。
作品の見どころ
幅約13メートルの大画面を、三連アーチと中央のキリストで整える。人物の多さは混乱ではなく、異なる身分や行動を一つの宴へ招き入れる広さをつくっている。
キリストは最も大きく描かれず、建築の中心線と光輪で見つける。兵士や道化を追ってから中央へ戻る視線の往復が、聖なる食事と日常の世界を結びつける。
制作背景
ヴェロネーゼは1573年、サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ修道院食堂のため、《最後の晩餐》として本作を描いた。異端審問所は道化や武装した人物などが主題にふさわしいか尋ねた。
尋問記録では画家に修正が求められ、作品は後にルカ福音書の《レヴィ家の饗宴》という題名で残った。題名変更だけで全て解決したと単純化せず、絵と制度の交渉の記録として見る。