何が描かれているか
愛の女神ウェヌスが裸身で立ち、軍神マルスは甲冑を着けて隣へ寄り添う。幼いクピドが二人の脚へ青いリボンを巻き、愛が男女を結びつける動作を見せる。
白馬がマルスの背後へ顔を出し、乳を流す女性像と石の建築が周囲を飾る。赤い布、青いリボン、銀色の甲冑が、肌の明るさを囲んでいる。
作品の見どころ
柔らかな裸身と硬い甲冑を接触させ、愛と戦争を質感の違いへ置き換える。クピドのリボンは細いが、二人の足を実際に結ぶため、抽象的な寓意が目に見える行為になる。
マルスの剣は遠ざけられ、馬も落ち着いている。愛が戦争を鎮め、豊かさを生む像と読むことができるが、周囲の乳や馬まで含む完全な意味は一つに確定していない。
制作背景
メトロポリタン美術館は1570年代の油彩画として所蔵する。大きさは高さ約206センチで、宮殿の室内を飾る神話的な寓意画として作られたと考えられる。
元の注文主と設置場所は分かっていない。題名が示す「愛による結合」は画面に合うが、結婚、平和、豊穣のどれか一つだけを表すと断定せず、複数の読みを残す。