1570年代
40代

愛によって結ばれるマルスとウェヌス

画家 パオロ・ヴェロネーゼ
Mars and Venus United by Love / メトロポリタン美術館
裸身の愛の女神と甲冑の軍神を、幼いクピドが結びつける。布、肌、金属の質感が寓意を目に見える形にする。

何が描かれているか

愛の女神ウェヌスが裸身で立ち、軍神マルスは甲冑を着けて隣へ寄り添う。幼いクピドが二人の脚へ青いリボンを巻き、愛が男女を結びつける動作を見せる。
白馬がマルスの背後へ顔を出し、乳を流す女性像と石の建築が周囲を飾る。赤い布、青いリボン、銀色の甲冑が、肌の明るさを囲んでいる。

作品の見どころ

柔らかな裸身と硬い甲冑を接触させ、愛と戦争を質感の違いへ置き換える。クピドのリボンは細いが、二人の足を実際に結ぶため、抽象的な寓意が目に見える行為になる。
マルスの剣は遠ざけられ、馬も落ち着いている。愛が戦争を鎮め、豊かさを生む像と読むことができるが、周囲の乳や馬まで含む完全な意味は一つに確定していない。

制作背景

メトロポリタン美術館は1570年代の油彩ゆさい画として所蔵する。大きさは高さ約206センチで、宮殿の室内を飾る神話的な寓意画として作られたと考えられる。
元の注文主と設置場所は分かっていない。題名が示す「愛による結合」は画面に合うが、結婚、平和、豊穣のどれか一つだけを表すと断定せず、複数の読みを残す。

作品情報

材質・技法
油彩、カンヴァス
所蔵
メトロポリタン美術館
位置づけ
愛が戦争を抑える寓意として読まれるが、元の注文と完全な意味は確定していない。豪華な布と金属が対照をつくる。

出典・画像について

出典:メトロポリタン美術館 作品記録2026-09-22 確認)
画像:Paolo Veronese愛によって結ばれるマルスとウェヌス》/愛によって結ばれるマルスとウェヌス — Paolo Veronese / Wikimedia Commons
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-22 確認)
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