1576~1578年頃
40代後半~50歳頃

男性の肖像(ゲティ美術館)

画家 パオロ・ヴェロネーゼ →
Portrait of a Man / J・ポール・ゲティ美術館
黒い服の人物から、柱と遠くの建物へ。名前が分からなくても、肖像が伝える立場を考えられる。

何が描かれているか

黒い服を着た男性が、柱のある建物の前に全身で描かれている。片手を腰に当て、もう一方の手を柱の台座に置く。顔は見る人の方を向き、周囲の大きな建築とともに存在感を示す。
この人物の名前は分かっていない。自画像という説もあったが、ゲティ美術館は未確認とする。自画像として決めつけず、画面が示す手がかりを見てみよう。

作品の見どころ

黒い衣服にも、光を受ける折り目や細かな調子の違いがある。顔と手の明るさが、それらの上に浮かび上がる。色を多く使う宴会画とは違い、暗い服を中心に人物を印象づけている。
柱の間の彫刻や台座の浮彫、腰にある剣も注目したい。館は、職業や社会的な立場に関わる可能性を挙げるが、どれか一つに確定はしない。左奥には、田園に置かれたサン・マルコ聖堂が見える。

制作背景

現在のゲティ美術館の作品台帳は、制作を1576~1578年頃としている。カンヴァスに油彩ゆさいで描かれ、高さは約1.9メートル。大きな全身像という形式も、モデルの重みを伝える仕組みだ。
肖像は、顔を似せるだけでなく、服や持ち物、周囲の場所も選んで人物を示す。本作では名前が不明なままだからこそ、確かな観察と推測を分けながら、その見せ方を考えられる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
J・ポール・ゲティ美術館
目録番号
71.PA.17
位置づけ
全身肖像とモデル同定の留保

出典・画像について

出典:Getty:Portrait of a Man(71.PA.17)(2026-10-09 確認)
画像:Paolo Veronese《男性の肖像(ゲティ美術館)》/男性の肖像(ゲティ美術館) — Paolo Veronese / J. Paul Getty Museum
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-09 確認)
J. Paul Getty Museumの公式CC0画像。
間違いを見つけたら、教えてください →

実物を見に行く

まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →
展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。