何が描かれているか
寝台の近くで半裸の女性が腰掛け、背後の男性から紙を受け取る。左には別の女性が立ち、足元のクピドは、二人の間へ身体を入れながら意味ありげに見上げる。
人物の手と視線は紙へ集まるが、何が書かれているかは分からない。寝台、開いた衣、クピド、見守る女性が、恋愛に関する出来事であることだけを示す。
作品の見どころ
手紙を受け取るのか返すのか、男性と女性の関係は何か、画面だけでは決まらない。答えを一つにするより、手、目、身体の向きがどの解釈を支えるか比べたい。
ほぼ正方形の画面を下から見上げる構図で、寝台と人物が天井近くに浮くように見える。赤、白、青の衣と肌を大きく置き、遠くからも身ぶりが読めるようにしている。
制作背景
本作は《侮蔑》《尊重》《幸福な結婚》とともに、現在《愛の寓意》と呼ばれる四点組の一作である。元の注文主、設置場所、連作全体の正確な物語は分かっていない。
《不貞》という題名は制作当初のものではなく、1727年の記録で与えられた。ナショナル・ギャラリーも意味は不確かだとするため、後世の題名を画面の確定した答えにはしない。